フィードフォワードニューラルネットワーク手法を用いた短期気候予測の研究
Project/Area Number |
03F03030
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
気象・海洋物理・陸水学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木本 昌秀 東京大学, 気候システム研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIAQAT Ali 東京大学, 気候システム研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 気候予測 / 非線型力学系 |
Research Abstract |
ニューラルネットワークを用いて観測データからその背後にある力学系の時間発展方程式を推定する新しい手法を開発し、実際の気候予測に応用した。ここで開発した手法(残差最小化訓練法)は、気候系などの力学系からサンプルされた不完全かつノイズを含む多変量時系列からそのマクロな振る舞いを支配する微分方程式を再構成するものである。これまでの方法と異なり、まず階層的ニューラルネットワークにより多変量時系列を近似し、さらにその結果を用いて系の振る舞いを支配する連立非線型微分方程式を構築する。構築された手法は系の振る舞いの予測に用いることができる。 開発した手法をローレンツ力学系に適用して予測を行い、統計的手法やニューラルネットワークを用いた従来の時系列予測手法と比較したところ、有効な予測時間が5倍以上に改善されるという著しい結果を得た。また、再構築した力学系を用いた比較的短期間の予測だけでなく、長期間の積分も行ってみたが、元の力学系のアトラクターをよく再現できている。このことは、実際の気候系データ等に応用した場合、50年程度と短い観測データ期間からでもシステムのより長期の振舞いを推定することに今回の方法が使える可能性を示すものである。 実際の系からのデータへ応用する際、ノイズレベルが高いとき、長期予測において予測結果が発散する傾向が時折見られた。力学系の構築に際して分割した訓練期間のつなぎ目の扱いをより適切に行うことでこれを回避した。この結果を踏まえて、開発した方法をエルニーニョ現象の半年以上の予測問題に適用した。大規模物理モデルを用いた手法と同程度の予測精度が得られることがわかった。エルニーニョ監視領域の海面水温スカラー時系列データのみを用いる方法としては十分なものと考えられるが、さらにスカラー時系列処理に埋め込み法を用いた多変量化を施すことによってさらに精度を上げることができる見込みがある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)