複雑非線形システムのロバスト性と可安定性の理論研究
Project/Area Number |
03F03045
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
制御工学
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 博 九州工業大学, 情報工学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RATHINASAMY Sakthivel 九州工業大学, 情報工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 非線形システム / 制御理論 / ロバスト安定化 / 偏微分方程式 / システム安定論 / 複雑システム |
Research Abstract |
本課題最終の本年度は、複雑非線形システムのロバスト性および可安定性という問題に対し、初年度に開発した「空間依存スケーリング」という理論の一般化を行い、空間的に複雑な振る舞いを持つシステムに有効な解析・設計理論の構築を目指した。本年度は理論解析だけではなく、新しく計算機シミュレーションによる研究も行った。 システムの持つ複雑性は、非線形性、多様性、大規模性、入力・出力・状態空間の複雑性など様々な原因から生まれるものである。そこで、昨年度と同様に非線形偏微分方程式をシステムモデルに採用し、抽象的表現にシステムの多様性を吸収させることにした。昨年はBurger方程式に限定して開発した空間依存スケーリング理論の一般化を目的に、Kuramoto-Sivashinsky方程式に取り組み、そのロバスト性および可安定性が空間依存スケーリングの存在性問題に帰着できることを示すことに成功した。空間依存スケーリングが存在性するならば、システムをロバスト安定化する境界入力制御則が直ちに導けることも明らかにできた。さらに本年度は、本研究で提案する理論手法と過去に個別に提案されてきている従来の方法との違い、提案法の利点を明確にすることにも力を注いだ。これには理論と数値シミュレーションの両面から取り組み、空間依存スケーリングという空間的非線形な尺度を可安定性とロバスト性の判別に導入することの有効性を示すことができた。本研究の成果により、ロバスト性の度合いを指定して解析・設計することが可能になっただけでなく、制御入力が従来の方法に比べて格段に小さくなるように境界入力制御則を設計できるようになった。そのアイティアの一部は、代表者(受入研究者)が生物下水処理という具体的なシステムの制御方策を考えるヒントとなった。 本研究により昨年度から得られた研究成果をまとめ、国内外の学術会議や研究会で発表し、学術雑誌にも投稿した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)