Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
不斉自己触媒反応を利用してキラル触媒の立体制御力を評価する新しい方法を開発した。すなわち,従来法のキラル触媒の評価は,各々単独で触媒を用いた場合の合成収率および不斉収率に基づくものであるので,キラル触媒の効力の差が小さい場合,その評価が困難になる。本研究では,逆の絶対配置の生成物を与える2種類のキラル触媒を用いて,ピリミジンカルバルデヒドとジイソプロピル亜鉛の反応を行い,生成物であるピリミジルアルカノールの絶対配置を決定することにより,2種類のキラル触媒のうちいずれがより強力な立体制御力を有するかを決定するものである。ピリミジルアルカノールの鏡像体過剰率は,不斉自己触媒反応により増幅するので,立体制御力の微小な違いも増幅させて検出することが可能である。一連のアルキル基を有する(1S,2R)-および(1R,2S)-N, N-ジアルキルノルエフェドリンを共存させて上記方法によりこれらの立体制御力を評価した。その結果,窒素原子上のアルキル基を立体制御力が強い順にならべるとブチル基,プロピル基,エチル基,メチル基となることを明らかにした。また,ブチル基は,ペンチル基やオクチル基よりも立体制御力が強いことを明らかにした。さらに(1S,2R)-N, N-ジブチルノルエフェドリン(DBNE)と(1R,2S)-N, N-ジメチルノルエフェトリン(DMNE)等モルずつ存在下では,S体の生成物(ピリミジルアルカノール)を与えるが,DMNE : DBNE=73.5:26.5を境にR体生成物を与える。すなわち,この比率は,2種類のキラル触媒の相対的な立体制御力を定量的に表すものである。
|