遷移金属カルコゲン層間化合物を用いたX線導波路の開発
Project/Area Number |
03F03077
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河合 潤 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARIMOV Pavel Fanzirovich 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | X線進行波 / X線反射 / 屈折 / 表面分析 |
Research Abstract |
X線導波路は平板サンドイッチ構造の中を単色X線が伝播する光学部品である.X線を細く絞って強度が減衰することなく数cmを伝播させることができると期待されている.1マイクロメートル以下の空気層をシリコンウエハーで挟んだX線導波路を試作し,X線の伝播特性を測定した.2枚のシリコンウエハーの間に金箔を挟むことによってきわめて細い溝を2枚のシリコンウエハーの間に作り,全体をジグで固定しX線導波路とした.この導波路にモリブデン対陰極X線管からの白色X線を照射し,通過したX線のスペクトルを出口側で測定した.また,導波路と検出器との角度をさまざまに変化させて,導波路から出て来るX線の角度分布を測定した.その結果,X線スペクトルは導波路に入る前のスペクトルと同一であり,角度異方性は非常に小さく,X線のマイクロビームを作るのに有効であることが分かつた.X線の強度減衰は3cmを透過後も変化せず,逆に導波路をはずすと,距離の逆2乗則によって減衰することが判明した. 一方,遺伝アルゴリズムを用いた数値シミュレーションにより,X線導波路の最適設計を行った.その結果,Mo/B/Moのように軽元素を重元素で挟んだ構造が導波路として優れていると信じられていたが,遺伝アルゴリズムで突然変異を発生させたところ,予想外の軽元素を軽元素で挟んだ構造がX線導波路として最適であるという結果が得られた.この奇抜な結果は我々が世界で最初に気づいた構造であるが,イタリアの研究グループも同じことに気づいた模様であり,我々の投稿論文は,奇抜な結果のゆえにいまだあくせぷとされていないが,イタリアのグループの結果は最近出版された.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)