Project/Area Number |
03F03104
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生態
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
花里 孝幸 信州大学, 山地水環境教育研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG K-H 信州大学, 山地水環境教育研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 動物プランクトン / 湖沼生態系 / 環境ストレス / 有害化学物質 / 温暖化 |
Research Abstract |
捕食者は食う-食われる関係を介して動物プランクトン群集組成を変えることによって、その群集に及ぼす農薬の影響を変えるものと考えられる。このことを確かめるため、環境条件をコントロールした室内で20リットル水層に無脊椎捕食者(Mesocyclops)の多く生息する動物プランクトン群集とそれが少ない群集をつくり、殺虫剤カルバリル500ppbを投与して群集の変動を追跡した。低捕食者水層ではカルバリルが競争者のミジンコ個体群を全滅させ、ワムシ類の増加を許し、ワムシの優占する群集がつくられた。一方、捕食者の多い水界ではワムシ類がMesocyclopsの捕食により減少し、殺虫剤投与に見られると期待されたワムシ類の個体群増殖がなかった。これにより、動物プランクトン個体群に及ぼす殺虫剤の影響は、動物プランクトンの群集構造によって異なることが示された。 動物プランクトンの多くの種は、時間的及び空間的に形態が異なる表現系多形性を持つ。その形態の変化は、生息地の様々な環境要因によって決められると考えられている。そこで、多くの湖沼に分布するゾウミジンコ(B.longirostris)を例として、長野県内で環境の異なる14湖沼から採集し、形態と環境との相関を調べた。その結果、無脊椎捕食者(ケンミジンコ)が多い湖ほどゾウミジンコの吻(antennule)は長く、前方に伸長されている傾向が見られた。また、殻刺(mucrone)もケンミジンコの多い湖沼の方が長い傾向が見られた。したがって、ゾウミジンコの形態は、無脊椎捕食者の種や捕食性と密接な関係があると考えられる。野外の湖沼におけるゾウミジンコの異なったantennuleの形は、生息地の捕食環境に適応した結果だろう。一方、mucroneの場合は、捕食者の存在以外にpHとも相関が見られた。pHに対応して形態を変えることがゾウミジンコにとってどのような意味を持つのか、今後の課題として残った。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)