ウニ類(ナガウニ属)の生殖細胞の不和合性から見た種分化の研究
Project/Area Number |
03F03109
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
系統・分類
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
上原 剛 琉球大学, 理学部, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Md.Aminur 琉球大学, 理学部, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | ナガウニ類 / 種分化 / 生殖細胞不和合性 / 交雑受精 / 沖縄・グアム・ハワイ / 地理的変異 / 異種間精子競争 / 生殖的隔離 |
Research Abstract |
インド-西太平洋産(ハワイを含む)のナガウニ属のウニは、長年一種として取り扱われてきたが、現在では少なくとも5種からなる。これらの研究は、はじめに刺の色・模様で分けた沖縄産4タイプ間の人口受精率に差があったことから始まった事から、ウニ類では受精レベルでの生殖細胞の不和合成が種分化の糸口であると考えているので今回の研究課題を設定した。初年度にハワイからウニを沖縄に持ち帰って飼育し、成熟生殖細胞(卵・精子)を持つに至った個体を使って、沖縄産の同種・異種との交雑実験を行った。その結果、ハワイのクロナガウニ(Ee)は形態と生殖細胞の不和合成の程度から見て、沖縄産の黒色個体のヒメクロナガウニ(Eo)よりもリュウキュウナガウニ(Ec)により近縁であることを示唆した。他方グアムにも出向き、沖縄にも産するツマジロナガウニ(Ea)とホンナガウニ(Em)の人口受精卵を沖縄に持ち帰り、成熟個体になるまで育てた後、いろいろな精子濃度で沖縄産との交雑人工授精を行い、受精率をしらべ、形態的変異の程度と関連させて比較し、現在論文作成中である。他に、沖縄産のEaとEcを材料にして、新たな実験を行った。いろいろな組み合わせの実験下で、両者の生殖細胞を混ぜて、人工受精を行い、受精卵を4-5ヶ月年齢の個体まで育て、管足の骨片を調べることにより、どの組み合せが受精したかがわかる。この結果を、英国の国際学会に申し込み受理されたが、都合で参加できなかった。現在アメリカの研究者と論文を書いていて、60%ほど出来上がっている。また、実験的に変態を遅らせたものが、どのように、どこまで発生できるかをしらべた研究も行った。種の分散と分布を知る上で興味ある実験であり、香港の国際学会で発表し、現在論文を作成中である。このように、この2年間の滞在は、過去6年間の研究の経験を生かしながら、新たな研究も出来たので、とても、成果があった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)