Project/Area Number |
03F03137
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
血液内科学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Yinghua 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | p57KIP2遺伝子 / PAX4遺伝子 / DNAメチル化 / siRNA / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
造血器腫瘍における癌関連遺伝子の病態への関わりについてp57KIP2遺伝子,PAX4遺伝子を中心に解析した。 p57KIP2遺伝子: 当遺伝子はCDK inhibitorの一つであるが発癌における役割は明らかでない。我々はDNAメチル化により当遺伝子発現の抑制が起きていることを明らかにし、癌抑制遺伝子の候補であることを提唱した。今回我々はp57KIP2遺伝子の腫瘍形成への役割を総合的に理解する事を目的とした。p57KIP2遺伝子の転写調節領域の解析したところ転写開始の上流から-451〜-280bp部位が当遺伝子の転写調節に関与していた。この部位に結合する遺伝子の単離している。Hela細胞を用いsiRNA法により当遺伝子の発現をノックダウンした。当遺伝子が細胞増殖に対してどのような影響を与えるかをMTT解析にて検討したところ、蛋白量の減少に伴い細胞増殖を促進することが分かった。このことから当遺伝子が癌抑制遺伝子としての機能があることが示唆された。 PAX4遺伝子: 当遺伝子はホメオボックス遺伝子の一種であり、成熟した正常組織では一般に遺伝子発現は認められない。しかし造血器系細胞珠15種類中10珠に過剰発現を認めた。当遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化を解析したところ、脱メチル化の有無とPAX4遺伝子の発現には強い相関関係が存在することが分かった。これらの結果からPAX4遺伝子はプロモーター領域の脱メチル化により遺伝子の発現の制御が行われていることが示された。COBRA法を用いPAX4遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化状態を検討したところ正常リンパ球では脱メチル化は認められなかったが、44例の悪性リンパ腫患者検体中22例に脱メチル化が検出された。この脱メチル化は正常細胞では起らない異常な現象であり、悪性リンパ腫の病態に関与することが示唆された。PAX4遺伝子の細胞増殖に対する影響を検討するためにPAX4遺伝子の強制発現系を作成し、MTT解析を行ったところ細胞増殖を促進することが分かった。これらのことからPAX4遺伝子は癌遺伝子の候補であると考えられた。
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