ケインズの利潤均衡と貨幣理論の起源:ホートリーの所得定義と信用循環理論を中心に
Project/Area Number |
03F03177
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
経済理論
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小島 專孝 京都大学, 経済学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE C. 京都大学, 経済学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ホートリー / ピグー / 景気理論 / 公共事業 |
Research Abstract |
ケインズの『貨幣論』および『一般理論』に対するホートリーの議論について、『セントラルバンキングのアート』『資本と雇用』『通貨と信用』第4版などで検討した。また、ピグーとホートリーの論争を検討した。後者は論文「ピグーのマクロ経済理論の基礎とホートリーのピグー批判」として発表した。 この論文は、ホートリーの『景気と信用』におけるピグー批判に基づき、ピグーの景気理論および公共事業擁護論の基礎に実物的財の流れ図式があることを明らかにするものであり、次のような成果を得た。(1)ピグーの景気理論の骨格を提示した。景気変動の支配的要因について『失業』(1913年)では所得変動と利潤期待の変動があげられていたが、『産業変動論』第2版(1929年)では後者の前者に対する優越が論じられていることを提示して、ピグー理論の展開過程の一端を明らかにした。(2)公共事業に対するピグーとホートリーの見解を1913年から1929年まで概観し、ホートリーの見解の根拠が1913年と1925年とでは異なり、1925年の議論では現金残高を維持するための消費支出削減に基づくものであることを明らかにした。ホートリーは所得が低下するとさえ論じており、垂直のLM曲線のケースで表現できるものではないと論じた。また従来注目されていない1929年のピグーの論文を紹介し、ピグーの乗数波及過程の議論は所得・支出循環に基づくものではなく、賃金基金・生産循環に基づくものであると論じた。(3)実物アプローチに対するホートリーの批判を、(1)独立生産者モデルの現実適合性(2)ピグーの非貨幣経済においても貨幣的要因が存在すること(3)ピグーの実物的財の流れは実際には価値集計量であり、貨幣的変動などの影響を免れないこと、という3点から議論した。なお、独立生産者モデルについては数学的定式化をした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)