Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
ダイアモンド,DLC,アモルファスカーボン,窒化ホウ素,炭化ホウ素,窒化炭素,窒化ホウ素炭素のような,ホウ素,炭素,窒素からなる超硬質薄膜材料は,優れた機械的,物理的,化学的特性によって耐摩耗被膜として期待されている.このような背景に基づき,本研究はイオンビームミキシング装置を用いてBCNコーティングの成膜を行い,様々な相手材料及び種々の環境下におけるトライボロジー特性を整理したデータベースを構築するとともにトライボ材料としてのBCNコーティングの実用化の指針を得る事を目的としている. 2年目に得られた具体的な結果は,以下の通りである. 1.セラミックスと鋼ボールに対するBCN膜の摩擦係数は0.51-0.75の範囲で変化した.この変化は成膜時の窒素イオンのイオン加速電圧とイオン加速電流密度による影響である.4種類のボールに対するBCN膜の摩擦挙動を総合的に考慮すると,2.0kVと60μA/cm^2で成膜したBCN膜が高硬度(104GPa)であり,窒素ガス中で低摩擦係数(0.6)を示すことが明らかにされた. 2.BCN膜とAl_2O_3,SiC,Si_3N_4,SUS440Cボールのトライボロジー特性を空気中,窒素ガス中,水中において調査した.4種類の組み合わせにおいて,空気中では、BCN/Al_2O_3の組み合わせが最も大きい摩擦係数1.13を示す.しかし,窒素ガス中,水中ではBCN/Si_3N_4の組み合わせが,それぞれ最も低い摩擦係数0.64と0.03を示す.BCN膜とボールの摩耗した表面を観察すると,空気中と窒素ガス中のすべり試験によって,ロール状の物体が生成されているのを確認した.それに対し,水中ではすべりによって滑らかな表面が形成されていた.BCNと水,または酸素の界面反応が,BCN膜の摩擦・摩耗特性に大きな影響を及ぼしていることが示唆された.
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