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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
熱電変換材料として期待される遷移金属のシリサイドRu_2Si_3を取り上げ2元系単結晶を作製し,斜方晶の方位に依存した熱電変換特性を調べ,さらなる特性向上を目指して合金添加効果を調べた.Ru_2Si_3には冷却過程で1000℃前後に高温相(正方晶)から低温相(斜方晶)への相変態があるため,低温相の単結晶にはb軸を共有しそれを回転軸として90度結晶方位が回転した2つの方位バリアントが存在する.このため,斜方晶の主軸のうち,b軸([010])のみが独立であり,a([100]),c ([001])軸は混合されたものとなっており,[010]と[100]/[001]の2方位について特性を測定した.両方位とも300-500μV/Kの高いゼーベック係数を示し,熱伝導度も2-7 W/mKと低く良好な特性を示すが,電気抵抗が10^<-3>-10^<-1>台と高い.電気抵抗は高温では[010]方位で[100]/[001]方位のおよそ半分となり,その結果,無次元性能指数が高くなる.[010]および[100]/[001]方位の無次元性能指数の最高値は,それぞれ0.22,0.05であり更なる特性の改善が必要である.これを改善すべく,Ru_2Si_3のチムニーラダー構造のナノ制御を価電子数に着目して行った.ReはRuより価電子数が少なくn型伝導が実現する可能性があり,R_e4S_i7を形成するためRe添加に伴い金属/Si比が連続的に変化し,チムニーラダー構造の周期変化から熱電特性に変化が見込まれる.現実にRe添加に伴い異なる周期構造を持ったチムニーラダー構造が観察され,熱伝導率の低下が観察された.しかし,電気抵抗の低減は少量のRe添加では実現せず,12%以上の大量のRe添加を必要とする.
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