Project/Area Number |
03F03331
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
水産化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ERDOGAN Orhan 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | トラフグ / ミオシン / ミオシン重鎖 / in situハイブリダイゼーション / ゲノムデータベース / cDNAクローニング / 筋組織 / in silicoスクリーニング |
Research Abstract |
哺乳類のミオシン重鎖遺伝子(MHC)には速筋タイプ6種、心筋タイプ2種、平滑筋タイプ3種および非筋タイプ3種のアイソフォームが存在することが知られている。このうち、骨格筋タイプ6種のMHCはゲノム上でクラスターを形成する。この構造は哺乳類の多くの生物間で保存されているため、クラスター構造がMHCの発現調節に重要な役割を果たしていることが予想される。一方、魚類のMHCに関する知見は少なく、その正確な数さえも明らかになっていない。そこで本研究では、ゲノム配列が公開されているトラフグを対象にMHCを解析し、個々の遺伝子につき分子生物学的手法を用いてその発現様式を明らかにすることを目的とした。 昨年度までに、トラフグ成体の筋組織に多く発現している速筋型MHCを同定した。本年度はさら研究を進め、次のような成果を得た。まず、トラフグ成体の速筋からfirst strand cDNAを調製し、これを鋳型に速筋MHCをコードするDNA断片をプローブにPCRを行った。その結果、3種類の速筋MHC、すなわちMHC-A、MHC-BおよびMHC-Cがクローン化された。そこで、これら各MHC遺伝子に特異的なプライマーを設計して定量的PCRを顎筋、胸筋、背筋および尾筋から調製した全RNAを対象に行った。その結果、転写産物量は顎筋でMHC-B>MHC-C>MHC-A、胸筋でMHC-A=MHC-B>MHC-C、背筋および尾筋でMHC-A>MHC-B>MHC-Cと、速筋でも部位によって各MHCの発現比率が著しく異なることが示された。そこでさらに、各MHC遺伝子に特異的なアンチセンスプローブを調製し、各速筋組織切片を作製してin situハイブリダイゼーションを行ったところ、定量的PCRでみられた各速筋MHCの発現比率の差異が確認された。以上の結果から、トラフグは同じ速筋でも部位特異的に3種類の速筋MHCを発現比率を変えて発現し、各部位に固有な運動機能を容易にしていることが示唆された。
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