新層状・籠状超電導体及熱電変換物質の電子状態の極低温走査トンネル顕微鏡による研究
Project/Area Number |
03F03658
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浴野 稔一 広島大学, 総合科学部, 助教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RIBEIRO R. d.
RIBEIRO Raquel A. 広島大学, 総合科学部, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 層状超伝導体 / 熱電変換物質 / エネルギーギャップ / トンネル効果 / STM |
Research Abstract |
極低温走査トンネル顕微鏡(STM)に使用する超伝導STMチップの作製を目指して,高純度2ホウ化マグネシュウム(MgB_2)ワイヤの合成に着手した.これはバルクと同じ超伝導転移温度40Kを示し,残留抵抗比が30程度の高品質のものが得られた.このワイヤの超伝導ギャップ特性を測定したところ,バルクに見られる多重ギャップ構造とは異なる結果を得た.その原因を探るため詳細に特徴を調べ,超伝導相を取り囲む近接相の存在を明らかにした.これによる強い近接効果により異常に小さなギャップが安定化していると考えられる.この近接相のメゾスコピックな空間分布について,STMによる測定を開始している.さらに,このワイヤのSTMチップへの応用実験も開始している.また,STMと相補的な手段である,銅とイリジウムチップを用いた,点接触法によるMgB_2の電子-格子相互作用の研究を行い,ホウ素面内の振動が超伝導電子と強く結合していると云う結果を得た.これは,この物質の超伝導の機構を明らかにするのに非常に有益な情報である.このようなホウ素化合物の研究に加えて,新たな熱電物質や酸化物超伝導発現の可能性を探るため,ストロンチウムランタン鉛酸化物(SrLaPbO_3)の輸送現象とトンネル分光の実験を行った.それによると,母物質は巨大ギャップを持つ半導体であるが,Laドープによりある条件下でジョセフソン効果が観測された.これについては詳しい実験を行っている.半導体-超伝導の境界に存在する物質に関連して,新しい熱電物質としての可能性が期待される希土類化合物半導体についても,トンネル分光実験を行っていつ.とくに新規近藤半導体CeCuAs_2において,巨大なエネルギー尺度を持つ2重の擬ギャップ状態の存在を明らかにした.これをさらに詳しく調べるためにSTMによる系統的研究を開始している.
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)