新しい観測的宇宙論とその初期宇宙への応用についての研究
Project/Area Number |
03F03720
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 貴浩 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BASSETT B.A. 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ダークエネルギー / プレヒーティング / 原始ブラックホール |
Research Abstract |
ブルース・バセット氏は、ひとつはKAOSプロジェクトと呼ばれる次世代の高赤方偏移銀河サーベイに関係する観測的宇宙論の仕事をおこなった。このサーベイの重要課題は、宇宙の物質構成、特に、近年注目されているダークエネルギーの時間発展を観測的に決める独立な手段を与えることであるが、氏の研究はこのプロジェクトの実現可能性を評価する重要なものである。このプロジェクトの特色は宇宙膨張を捉えるために光度距離ではなく角度距離を用い、その角度の標準長さ尺度を与えるものとして、バリオンと光子の系の音波振動に由来する密度揺らぎの振幅の振動を用いるという点である。しかし、この方法は宇宙のバリオン密度が低い場合にはうまくいかないという問題点があった。この点を改良するため、広島大学の山本一博氏らとの共同で進められた研究では、赤方偏移による銀河相関の視線方向と角度方向の違いを用いることによりダークエネルギーの時間発展を決める方法を応用することでバリオンの密度が低い場合にもダークエネルギーの時間発展をトレースできることを明らかにしたもので非常に重要である。 更に、京都での共同研究の成果としては、インフレーション終了後のパラメータ共振によって作られる揺らぎを起源とするブラックホール形成の問題に対するシミュレーションがある。これまで、ブラックホール形成が比較的おこるのではないかという報告がなされていたが、密度揺らぎの発展に着目した新しいシミュレーションの結果によると、ブラックホール形成はかなり一般的に難しいということが明らかになった。研究は依然、途上であるので最終的な結論を得るには更に1年程度の研究の継続が必要とされるが、これまでと違った不定性の少ないブラックホール形成率の評価方法の基礎を与える仕事は既に確立され、論文の投稿段階に入っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)