新規植物ホルモン、ジャスモン酸、の生理活性発現機序に関する研究
Project/Area Number |
03F03735
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
上田 純一 大阪府立大学, 総合科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SKRZYPEK Edyta Agnieszka 大阪府立大学, 総合科学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | エチレン / ガム物質 / ジャスモン酸 / ジャスモン酸メチル / 糖代謝 |
Research Abstract |
新規植物ホルモンであるジャスモン酸類を含水ラノリンペーストとしてチューリップ茎葉部に処理するとガム物質が誘導、生成する。糖類の分析およびゲル濾過カラムを用いた分析から、このガム物質は酸性糖(グルクロン酸)を含み、アラビノースとキシロースからなる多糖であることが示された。チューリップ茎葉部の細胞壁多糖を構成する糖組成とガム物質のそれを比較した結果、両者には明確な相違が認められた。ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた解析から、チューリップ茎葉部にはジャスモン酸およびジャスモン酸メチルの存在が確認され、さらに重水素標識した内部標準品を用いてそれらの定量分析を行った結果、ガム物質の誘導、生成時にそれらの内生レベルの上昇が認められた。この様なジャスモン酸類によるガム物質誘導効果はエチレンによって促進された。しかしながら、ジャスモン酸メチル処理は内生エチレンレベルを上昇させるものの、外生的にエチレンを単独に処理しても、ガム物質は誘導されなかった。さらに、エチレン処理によって内生ジャスモン酸レベルは変化しなかった。一方、ジャスモン酸メチルおよびエチレンをチューリップ茎葉部に処理するとグロロフィルの分解を促進し、老化が促進された。以上の結果から、チューリップ茎葉部におけるガム物質の誘導、生成の主たる要因はジャスモン酸類であること、エチレンは植物組織のジャスモン酸類に対する感受性を高めることによって、ジャスモン酸類のガム物質の誘導、生成効果を高めることが示唆された。なお、以上の研究結果は国際シンポジウムにおいて発表するとともに、国際的に認められている学術雑誌に3編の論文として掲載されることになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)