強相関電子系における軌道秩序-パイロクロア型モリブデン酸化物の電気相図-
Project/Area Number |
03F03776
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
十倉 好紀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KEZSMARKI ISTVAN 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
|
Keywords | パイロクロア型モリブデン酸化物 / 軌道縮退型モット絶縁体 / スピン・カイラリティー / 異常ホール効果 / 磁気光学効果 / カー効果 / コヒーレント・インコヒーレント転移 / バンド幅制御型金属絶縁体転移 |
Research Abstract |
スピン・カイラリティーによって異常なホール効果が見出されているパイロクロア型モリブデン酸化物R_2Mo_2O_7において、(1)軌道縮退型モット転移のメカニズム解明を目的とした金属絶縁体転移近傍における伝導特性・光学特性の測定、(2)スピン・カイラリテイーに起因した磁気光学効果の実証を行った。 (1)の研究においては、希土類元素Rを置換することでバンド幅を系統的に変化させてモット転移を制御するが、R=Ho, Dy, Gd, Sm, Nd塩で抵抗測定および光学スペクトルの詳細な測定を行った。その結果、低温金属領域では準粒子のコヒーレント性に由来するスペクトル構造が観測された。またR=Gd塩付近で量子相転移的な金属絶縁体転移を起こし、温度が上昇するにつれて絶縁体・金属性の相違が薄れていき、インコヒーレント的な電子状態に連続的に移っていくことを光学スペクトル測定から明らかにした。 また、R=Gd_<1-x>Ca_x(Gd^<3+>Ca^<2+>)の混晶系において、軌道縮退型モット絶縁体におけるキャリアードープ効果を調べた。その結果、X=0.1付近で金属絶縁体転移を起こし、極めて狭い伝導バンドが形成されることを明らかにした。 (2)の研究においては、Nd_2Mo_2O_7の磁気光学効果(カー効果)を測定した。その結果、バンド内遷移のエネルギー領域において、伝導電子系のスピン・カイラリテイーに起因した磁気光学効果を発見した。これは電気伝導測定による異常ホール効果とも関連した効果であり、スピン・カイラリテイーを有しないGd_2Mo_2O_7における比較実験からも、スピン・カイラリテイーに由来する効果であることを実証した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)