Project/Area Number |
03J00281
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
東洋史
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小沼 孝博 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | イリ / 新疆 / 八旗 / 清朝 / オイラト / ヤルカンド / オアシス / モンゴル / ホブド / 満文 / ジャハチン / 新彊 / ジューン=ガル / 旗 |
Research Abstract |
研究計画に沿い、18世紀における清朝の新疆進出とその後の支配体制構築の過程を具体的に明らかにするため、主に満洲語の行政文書(档案)を用いて研究を行った。先ず、江上波夫氏旧蔵の「清代乾隆期科布多疆域図」の特徴・成立過程を分析し、この地図が、文献史料からは読み取れない清朝のホブド支配の実態を伝える地図であることを指摘した。次に清朝がジューン=ガル(オイラト)を滅ぼした後、ジューン=ガルの根拠地であったイリに設置したイリ駐防八旗の形成過程を,清朝のオイラト政策との関連に着目しながら再検討した。その結果、乾隆25年(1760)にイリに軍隊を派遣・結集し支配拠点を建設する動きが見えるようになると、清朝は僅かに残っていたオイラトをイリに集め、「エジェン-アルバトゥ」関係を再設定した上でニル(軍事組織)へ編成し、このニルが清朝がイリに最初に設置したニルであることが明らかになった。また、その後のイリ駐防八旗の形成過程において、清朝がオイラトの存在をイリ固有の事情として認識しており、このためイリ駐防八旗には他の駐防八旗に見られない独自の組織・制度が登場したことを解明した。さらに、平成16年度に実施したフィールド調査にもとづき、新疆ウイグル自治区ヤルカンド(莎車)県に現存する清朝支配期の史跡を、且つ歴史文献の記述と照らし合わせながら紹介し、それら史跡が、清朝政治権力がどのように現地オアシス社会と関わっていたのか、という問題を把握する上で、極めて重要なものであることを指摘した。 また7月中旬には、中国北京市の中国第一歴史档案館、及び中国社会科学院文化人類学研究所図書館において、文献史料の調査を行った。2月下旬には、中国北京市の中国国家図書館、及び中央民族大学図書館において、清朝の新彊征服後に北京城内に強制移住させられたトルコ系ムスリム(現在のウイグル族)たちの生活状況を伝える拓本史料の調査を行った。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)