Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
今年度は,前年度から開発を進めていた,融解ダストの力学的挙動を調べるための三次元数値流体計算コードを完成させ,実際の衝撃波中(希薄な高速ガス流中)における液滴の挙動解析を行なった.行なった解析は,大きく以下の3つのテーマに分類される:(1)液滴がガス動圧にさらされている場合,(2)液滴が回転している場合(ガス動庄は無視),(3)回転している液滴がガス動圧にさらされている場合. (1)に関しては,液滴の変形が小さいと近似した場合の解が知られていた.しかし,よりガス動圧が大きくなった場合に生じると予測される大変形や液滴の分裂といった非線形的な現象に関する解析に対しては,我々の計算コードが有力である.我々の数値計算により,液滴が大きく変形したあと定常形状に落ち着くことや,液滴が大きなガス動圧によって小さな飛沫に分裂する様子が再現された. (2)に関しては,回転する液滴の形状において,我々の数値計算の結果が解析解とよく一致することを確認した.また,液滴が高速回転によって不安定化し,その形状が円盤型からラグビーボール型へと変形した結果,最終的により小さな複数の液滴に分裂することが分かった. (3)のように,ふたつの効果を同時に考慮した場合のコンドリュールの形状に関する研究は,今回我々が開発した計算コードによって初めて可能となった.数値計算の結果,液滴は回転速度に応じて様々な形状(円盤型,ラグビーボール型,三軸不等の楕円体)をとることが示された.また,その形状変化は,実際に測定されたコンドリュールの形状の傾向をよく再現した.これは,衝撃波加熱モデルが,ダストを適切に融解できるのみならず,その形状の多様性をも説明できる可能性を示している. 以上の結果は博士論文としてまとめた.今後,この結果を論文雑誌に投稿し,研究成果を世界的に公表する予定である.
|