Project/Area Number |
03J00407
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
久保田 彰 愛媛大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ダイオキシン類 / カワウ / P450 / CYP1A / 肝集積 / 遺伝子変換 / CYP2 / 機能解析 / 影響評価 / 体内動態 / チトクロームP450 / mRNA発現量解析 / in-vitro発現 |
Research Abstract |
本研究では、ダイオキシン類による野生鳥類の汚染実態を解明するとともに、その影響を肝チトクロームP450(CYP)系に着目して検証した。これまでカワウやトビについてダイオキシン類の汚染実態を明らかにするとともに、カワウでCYP1A分子種の誘導を示唆した。さらに誘導されたCYP1Aは、発現量依存的なダイオキシン類の代謝や肝集積に関与していることも示唆した。今年度は、まず分子系統学的なアプローチでカワウCYP1Aの分子的特徴の解析を試みた。カワウCYP1A4とCYP1A5の推定アミノ酸配列の相同性(82%)は、鳥類CYP1A4同士、あるいはCYP1A5同士の相同性(ともに78%)よりも高い値を示した。これは、鳥類CYP1A分子種で部分的な遺伝子変換が起きているためと推察された。そこで、遺伝子変換の起きていない領域でCYP1A系統樹を作成したところ、鳥類CYP1A5と哺乳類CYP1A2は同じクラスターに属したことから、少なくともそれらは共通の祖先遺伝子から進化したものと考えられた。従って、哺乳類でCYP1A2が特異的にダイオキシン類の肝集積に関与することを考慮すると、カワウのCYP1A5は哺乳類CYP1A2同様に肝集積に関与していると推察された。一方、CYP1A4とCYP1A5の間で鳥類固有の遺伝子変換が起きていることを考慮すると、CYP1A4も肝集積に関与している可能性が考えられる。このように、ダイオキシン類の肝集積に関わるCYP1Aの分子種特異性は鳥類と哺乳類で異なる可能性が示唆された。また、カワウについて4種類のCYP2cDNAの全長クローニングに成功し、それらのmRNA発現量とダイオキシン類等有機塩素化合物濃度の関係を解析したところ、有意な相関関係は認められなかった。この結果は、それら環境汚染物質が本研究で同定したCYP2分子種の誘導能をもたないか、あるいはその蓄積レベルがCYP2分子種を誘導するレベルに達していないことが要因と考えられた。以上の研究成果から、野生鳥類におけるCYP分子種別の機能解析に特化した研究の進展が今後不可欠であると結論された。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)