Project/Area Number |
03J00775
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
合成化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石橋 英章 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | キラルLBA / キラルカテコール / エナンチオ選択的環化反応 / 海洋天然物 / 全合成 |
Research Abstract |
我々はすでに、天然テルペノイドの生合成の中で、最も重要な鍵反応であるポリエン環化反応において、ルイス酸複合型キラルブレンステッド酸(キラルLBA)が有効な人工酵素触媒となることを報告している。このキラルLBAを用いたエナンチオ選択的ポリエン環化反応を真に有効な合成手法として確立するため、以下のような研究を行った。 新規キラルLBAの触媒設計開発 これまで我々が開発してきた光学活性ビナフトールのモノアルキルエーテルと四塩化スズから調整できるキラルLBAは、その触媒活性、およびエナンチオ選択性ともにポリエン環化反応において十分満足できるものではない。そこで、その触媒設計について様々な検討を行った。その結果、あらたに光学活性ビナフトールから誘導したキラルカテコールと四塩化スズから調整したキラルLBAが、ポリエン環化反応において高い反応性及びエナンチオ選択性を与えることがわかった。 天然物合成への応用 (-)-Chromazonarolおよび(+)-8-epi-Puupehedioneは抗腫瘍活性、抗菌作用など様々な生理活性を示す海洋天然物として注目されている。しかし、いまだ簡潔な合成法は確立されておらず、我々はキラルLBAを用いたエナンチオ選択的ポリエン環化反応を鍵反応として、これらの化合物の全合成研究を行った。上記の新規キラルLBAを用いて2-ファーネシルフェノール誘導体の環化反応を行った結果、高い立体選択性で目的の環化生成物を得ることに成功した。得られた環化生成物の基本骨格をもとに、(-)-Chromazonarolおよび(+)-8-epi-Puupehedioneをいずれもほぼ90%eeの光学収率、かつ短工程で合成できることを明らかにした。 以上が本年度の研究実績報告の概要である。
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