Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本年度は,子実体(以下,キノコ)から放出される胞子数におよぼすキノコ食昆虫の摂食の影響を明らかにするために,アカマツ林において優占的に出現するモリノカレバタケ属を対象として調査を行った。まず,採集されたキノコを食害の程度により,健全と被食ありの二つのグループにわけた。ついで,キノコから放出される胞子数はキノコの発達段階によっても変化すると考え,カサの開き方によって未熟と成熟のグループに分けた。健全・未熟は11本,健全・成熟は8本,被食あり・未熟は5本,被食あり・成熟は4本採集された。これらのキノコのカサを実験室内に放置し,放出された胞子を採取した。その結果,一日に一本のキノコから放出される胞子数は,31250〜95317500個と推定された。放出された胞子数に対する被食の有無と発達段階の効果を,キノコのヒダ(胞子形成部位)の鉛直投影面積を共変量とする共分散分析により解析したところ,被食の有無および発達段階の影響は有意ではなかった。また,キノコのヒダの投影面積が増加するにしたがって,放出された胞子数も増加した。したがって,野外条件下においては,昆虫によるヒダの摂食は,放出される胞子数に対して影響を及ぼさないことが示唆された(Yamashita & Hijii投稿中)。 その他,3年間のデータをもとにキノコの空間分布特性を解析し,キノコの属間で比較した(Yamashita & Hijii投稿中)。さらに,キノコのどのような特性がキノコ食昆虫群集の構造の決定要因となりうるかについて,3年間のデータをもとにCCA分析を行い,明らかにした(Yamashita & Hijii投稿中)。
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