Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
多孔質セラミックスの疲労寿命予測法を確立することを目的として,本年度は多孔質炭化ケイ素セラミックス(KD-DST 10-20T,気孔率37%)の切欠き材を用いて,疲労き裂進展に及ぼす荷重モード,切欠き形状,応力比の影響について実験的に明らかにした. まず,V型切欠き材を用いて荷重モードの異なる3種類の4点曲げ疲労試験を行い,静疲労および繰返し疲労き裂進展曲線は,疲労き裂進展速度がき裂長さとともに減少する第I段階と停滞する第II段階,さらには増加に転じる第III段階とに分けられ,一方で,動疲労き裂進展曲線は第III段階のみであることを示した.また,半円孔切欠き材の繰返し疲労き裂進展曲線は,V型切欠き材同様,第I,第II,第III段階に分けられるが,第I段階では切欠き形状の影響を強く受けることを明らかにした.さらに,V型切欠き材を用いて2種類の応力比(R=0.1,0.5)で4点曲げ繰返し疲労試験を行い,応力比の高い方がき裂進展速度が低速度側に分布することを示した.すべての条件において,第Iおよび第II段階の終了時のき裂進展量は負荷応力レベルには依存せず,疲労破壊靭性値は,負荷応力レベル,切欠き形状,応力比によらず約0.55MPam^<1/2>であることを解明した.この特異な現象は,き裂面同士の摩擦やき裂先端に生じる微視き裂等によるき裂先端の遮蔽効果に起因し,この遮蔽効果量を,き裂進展開始時の伝ぱ速度と応力拡大係数の関係より定量化することに成功した. また,第I,第II,第III段階のそれぞれの段階まで疲労き裂を導入し,SEM内において4点曲げ負荷試験を行い,荷重とき裂開口変位のループ解析を行うことにより,き裂経路全体に一様に遮蔽効果が働いていることを明らかにした.さらに,荷重とき裂開口変位の関係を有限要素法解析より求め,解析から計算されるき裂開口変位の増分は,実測値よりも大きく,これらの差よりき裂進展に伴うき裂遮蔽量の変化を推察できることを明らかにした.
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