Project/Area Number |
03J00941
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和田 文孝 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 真正粘菌 / トランスグルタミナーゼ / 傷害修復 / 真性粘菌 / 変形体 / CBP40 |
Research Abstract |
本研究では、下等モデルとして真正粘菌を用いて、トランスグルタミナーゼ(TGase)の機能解析を行なってきた。真正粘菌のトランスグルタミナーゼ(PpTGase)は細胞が傷害を受けた際、細胞膜の修復に関与する可能性が示唆されているが、細胞傷害時にPpTGaseがどこで架橋活性を発揮し、どのような分子を基質とするかなど不明な点が多い。 真正粘菌の変形体において、細胞傷害部位におけるPpTGaseの基質タンパク質の局在を解析したところ、基質タンパク質は細胞膜の傷害部位に局在することが明らかになった。また、これらの基質タンパク質を同定するためにアフィニティクロマトグラフィーを行ったところ、3種の主要なタンパク質(p44、p40、p33)が精製され、その内、p44とp40は質量分析によりそれぞれactinとカルシウム結合タンパク質、CBP40であった。P33はデータベース上にない未知のタンパク質であったため、p33を同定するために変形体から大量に精製し、部分アミノ酸配列を得て、その配列を元に遺伝子クローニングを行なった。その結果、p33はミトコンドリアの内膜に存在するANT(adenine nucleotide translocator)であることが明らかになった。また、actinとCBP40は傷害を受けた部位に局在したため、傷害部位でこれらのタンパク質が架橋化されることで何らかの機能を果たしていることが予想された。 次に、動物細胞において細胞膜の傷害修復に対するTGaseの関与について検討した。TGase阻害剤存在下で動物細胞に物理的傷害を与え、傷害を受けた細胞膜の状態を調べた結果、TGase阻害剤存在下では細胞膜の修復が阻害された。さらに、TGase2の発現をRNAiにより抑制させ、その細胞に傷害を与えたところ、TGase2の発現が低下した細胞では細胞膜の傷害修復が抑えられた。以上の結果より、TGase2の架橋活性が細胞膜の傷害修復機構に関与することが示唆された。また動物細胞において、傷害に応じたTGaseの基質タンパク質としてスペクトリン、フィラミンA、クラスリンなどが同定された。これらの基質タンパク質が架橋化されることで細胞膜の修復機構に関与している可能性が考えられる。
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