クローン植物ヒメモチの花粉流動と繁殖成功に関する研究
Project/Area Number |
03J00944
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥丸 猛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | モチノキ科 / 遺伝的構造 / 父性解析 / マイクロサテライト / 集団遺伝 / 繁殖生態 / 雌雄異株 / クローン植物 / 遺伝構造 |
Research Abstract |
本研究は、雌雄異株性のクローン植物であるヒメモチの送粉パターンと雌雄の繁殖成功の解明を通じて、クローン植物個体群のジェネット形成における有性繁殖に対する適応的意義を解明することを目的としている。雌性繁殖成功度は、種子生産数で測定される。一方、雄性繁殖成功度は、交配頻度として測定される。近年、マイクロサテライトマーカーを用いた花粉親の推定により、雄性繁殖成功の推定が可能となった。平成17年度には、主に以下の研究成果が得られた。 1.マイクロサテライトマーカーを用いて、ヒメモチが散在している集団とパッチを形成している集団のジェネットを識別し、遺伝的構造の程度を把握した。また、ヒメモチの果実を調査した結果、複数の種子が認められ、それらは全兄弟の関係にあることが明らかになった。果実内の家系構造を用いて遺伝的構造をシミュレーションした結果、ヒメモチが散在している集団の遺伝的構造は、果実内の種子の同時散布によって説明された。一方、パッチを形成している集団はシミュレーションの結果よりも強い遺伝的構造を示し、集団の発達に伴う「距離による隔離」効果による遺伝的構造化が示唆された。 2.様々な性比を示すヒメモチのパッチを10個選定し、オスとメスの開花フェノロジー、およびメスの繁殖成功を調査した。その結果、オスのラメートはメスのラメートよりも一日あたりの開花数が多いことが明らかになった。また、メスの繁殖成功には、資源制限よりも花粉制限が関連していることが明らかになった。さらに、オスのラメートの開花の強度が低い場合、雄花との開花の同調性がメスの繁殖成功にとってより重要であることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)