東アフリカ農耕民社会における開発政策と社会的適応をめぐる社会人類学的研究
Project/Area Number |
03J01227
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
文化人類学(含民族学・民俗学)
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
石井 洋子 中央大学, 総合政策学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 開発 / 文化 / アフリカ / ケニア / ギクユ / ムエア / フロンティア / 開発と文化 / 経済変化 / 開発計画 / 社会的動態 / ポリティカル・エコノミー |
Research Abstract |
17年度の研究実績は、開発と文化という大テーマへの理解を一層深めるために、その歴史的なコンテクスト、つまり開発計画を通時的な脈絡において捉え、そこから現在の問題意識につなげて考察する必要性を強く認識した。そこで取り上げたのは、ケニア山南麓のケレニャガ県に1957年に建設され、40年余りの歴史を綴った開発計画「ムエア灌漑事業」(Mwea Imigation Scheme)であった。同事業は、多くの援助資金を受けて東アフリカ最大規模の水田地帯を有し、ギクユ人入植者によって国家主導のコメの計画生産が行われていた。本年度は、開発実践に関わる地域社会の諸相を複眼的に捉え直し、歴史的なコンテクストの中で検討する研究を行った。これらの研究は、単なるケニア山南麓に暮らすギクユ人社会の事例検証に留まらず、社会(文化)人類学の発展にも貢献してきた事にも言及しておきたい。その貢献とはつまり、「開発実践の現場であるフロンティア空間を、人類学的に研究する意義を具体的に示した」ことにある。従来、人類学者が敬遠しがちであった開発最先端の地域、もしくは開発を支える入植者達の生活空間を積極的に捉えることによって、現在のアフリカ社会、ひいては国際社会を特徴づける変化の波をローカルな脈絡から見渡し、検討する事が可能となるのである。本年度の研究では、開発計画と関わる地域社会の人々が、そのハード・ランディングな包摂過程、もしくはその解体過程に大いに戸惑いながらも、利用可能な資源を巧みに操作して経済変化を克服している姿を、個別実証的に生き生きと描き表すことができた。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)