クロマチン構造制御におけるDNA高次構造の役割の1分子DNA微小操作を用いた解析
Project/Area Number |
03J01258
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
分子生物学
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松浦 俊一 東京理科大学, 基礎工学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ヒストン / クロマチン / モノヌクレオソーム / 再構成 / 蛍光物質 / FRET / Homotransfer FRET / 1分子観察 / SV40 DNA複製 / SV40ラージT抗原 / ヌクレオソーム / 蛍光顕微鏡 / DNA-タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
これまでクロマチン構成因子であるコアヒストンの可逆的な化学修飾が遺伝子発現制御に与える影響など、ヒストンタンパク質を中心とした機能解析が盛んに行われているが、詳細な反応機構については未だ解明されていない点も残されている。そこで、顕微鏡視野内においてDNA1分子レベルでのヌクレオソームの挙動をリアルタイムで蛍光観測できればクロマチン構造変換の動態をさらに詳細に解析できると考えられる。本研究では1分子レベルでのDNA-ヒストン間相互作用を蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence Resonance Energy Transfer ; FRET)により解析する手法を提案している。 本手法では、DNA分子(5SrDNA)のみを単一の蛍光物質で標識し、鶏赤血球由来コアヒストン(H2A,H2B,H3,H4)を用いたモノヌクレソーム再構成を行った場合に、DNAに標識した蛍光物質どうしが近接した時に生じるHomotransfer FRETを指標にした解析を行う。まず、1分子レベルで観測する前に、モノヌクレソーム再構成に与えるDNAの蛍光標識の影響をゲルシフトおよびMNaseアッセイによって解析した結果、蛍光標識は再構成を阻害しないことが示された。次にDNA-ヒストン複合体をHomotransfer FRETにより観測した結果、ヒストン濃度の増大にともない蛍光強度が著しく低下することが示された。この時、配列依存的な均一なモノヌクレソームを形成した場合のみ特徴的な蛍光強度をもつスペクトルを示した。一方、再構成後のモノヌクレソームに対して塩濃度の影響を検討した結果、塩の増加に伴って蛍光強度が増大した。これは塩濃度の上昇にともないヒストンからDNAが解離し、Homotransfer FRETが解消したことを示している。以上の結果は、DNA-ヒストン複合体の形態の違い(モノヌクレソームの凝縮と弛緩)を蛍光強度によって評価できることを示唆している。本研究の成果は、第28回日本分子生物学会年会にて発表を行った。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)