ファミリーXに属するDNAポリメラーゼの機能と構造の解析
Project/Area Number |
03J01280
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
機能生物化学
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
島崎 則子 東京理科大学, 理工学部, 助手
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | DNAポリメラーゼ / ファミリーX DNAポリメラーゼ / DNAポリメラーゼラムダ / DNAポリメラーゼミュー / ターミナルトランスフェラーゼ / PCNA / ファミリーX / Polλ / Polβ / Polμ / TdT |
Research Abstract |
DNAポリメラーゼはDNA合成を触媒する酵素群であり、多様なDNA代謝の過程において、完全なDNA配列を安定に維持していくために必要である。DNAポリメラーゼスーパーファミリーのうち、哺乳動物のファミリーXにはDNAポリメラーゼβ(Polβ)、Polλ、Polμとターミナルトランスフェラーゼ(TdT)が属している。これらの酵素は、互いに高い相同性を有しながらも、機能の詳細は不明である。私はこれらの酵素群が増殖細胞核抗原(PCNA)との直接的な結合を介して活性調節を受けることを明らかにした。DNAポリメラーゼによるDNA合成様式は、一度のDNA結合によって連続的に長いDNAを合成するprocessiveな様式か、あるいは一度のDNA結合で1ヌクレオチドのみの付加を行うdistributiveな、短いDNA合成を行う2種類の性質がある。PCNAによる活性上昇が起きるのは、前者のDNA合成様式をもつDNAポリメラーゼに対してである。一方、ファミリーXのDNA合成様式は後者である。PCNA存在下では、PolλによるDNA合成産物の合成長が短くなった。よって、PCNAはdistributiveなDNAポリメラーゼのDNA伸長性を阻害していることがわかった。PCNAはこれまで、DNAポリメラーゼの活性補助因子としてそのDNA合成能を上昇させるタンパク質として考えられてきたので、全く新しい発見であった。また、生細胞中での結合性を解析するため、免疫沈降法による結合の同定や蛍光タンパク質を用いて細胞内での共局在を示し、PolλとPCNAが細胞内でも結合していることを明らかにした。このことから生体内でもPolλがPCNAによる活性制御をうけていることが示唆された。これらの結果を論文にまとめて、現在は投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)