Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1.桜島の大正・昭和溶岩を用いた絶対古地磁気強度測定の信頼性の検討を完了した.岩石形成時の地磁気強度で規格化した場合,新方法および旧方法による測定結果の平均および分散は,それぞれ0,98±0.11(N=64)および1.12±0.13(N=68)となった.旧方法に比べ,新方法のほうが安山岩タイプの試料に対しても信頼度が高いと結論できる.このような差が生じる原因について,岩石磁気学的なアプローチにより検討を行った. 2.木曽御嶽山および九州雲仙地域から採取した491個の火山岩試料(過去0-50万年)に対して新方法による絶対古地磁気強度測定を行い,266個の試料から合格結果を得た.これらの結果を統計的に解析すると,時間的に独立した42サイトからのデータに換算され,地磁気双極子モーメントは1.1〜12.4x10^22Am^2の間で変動を示すことが推定された.これらの平均値は6.3x10^22Am^2であり,最も最近の正磁極期であるブルン期(過去0-78万年)の地球磁場強度変動の姿が大部分明らかとなった. 3.長野県東部の北八ヶ岳火山東麓地域から安山岩試料(過去80-110万年)を採取し,新方法により予察的な絶対古地磁気強度測定を行った.その結果から,最も最近の逆磁極期である松山期(過去78-260万年)晩期の地磁気双極子モーメントは約1〜5x10^22Am^2の間で変動していたことが示唆された. 4.研究開始当初は過去500万年間の地球磁場強度変動の解明を目的に掲げたが,実際に研究を進めていく過程で,時間範囲を絞り,個々の試料の測定に時間をかけて高信頼度のデータを蓄積するという方針に切り替えた.予察的な部分を含むものの,本研究では,最終的に過去100万年程度の期間について地球磁場強度変動の様子を明らかにすることができた.さらに過去の時代については,次のステップの研究課題である.
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