ゼブラフィッシュ生殖細胞形成に関与する母性mRNAの安定性制御機構の研究
Project/Area Number |
03J01748
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
分子生物学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三嶋 雄一郎 神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 生殖細胞 / poly(A)鎖 / microRNA(miRNA) / 母性mRNA / mRNA安定性制御 / 生殖細胞形成 / cap構造 / 翻訳制御 |
Research Abstract |
本年度は、ゼブラフィッシュ初期発生過程における母性mRNA産物の転写後制御機構に関して研究を行い、以下の知見を得た。 1、microRNA miR-430によるnanosl mRNAの転写後制御機構 前年度までの結果から、ゼブラフィッシュ初期発生過程において生殖細胞形成に必須な遺伝子nanoslがpoly(A)鎖長の制御を受けることが示唆されていたので、本年度はさらにその解析を行った。その結果、nanoslの3'UTR中にpoly(A)鎖長の短縮およびタンパク質合成の抑制を誘導する配列を見いだした。さらに、この配列に結合する因子としてmicroRNA miR-430を同定した。microRNA(以下、miRNA)は、約20塩基のタンパク質をコードしていないRNAの総称であり、自身の配列(おもに5'末端)と相補的な配列を持つmRNAに結合し、そのmRNAの翻訳抑制・分解を促進する。このことから、nanosl mRNAはmiRNAによって受精後に体細胞中では分解・翻訳抑制されることが明らかとなった。一方、nanosl mRNAは生殖細胞になる細胞ではmiRNAによる抑制を回避する配列を3'UTR中に有していた。このことから、ゼブラフィッシュ初期発生過程ではmiR-430による体細胞でのnanosl mRNAの抑制と、生殖細胞におけるmiR-430による抑制を回避によって体細胞-生殖細胞の違いが確立されることが強く示唆された。また、miRNAが標的mRNAのpoly(A)鎖を短縮する活性があることを初めて見いだした。 2、miR-430による母性mRNAのpoly(A)鎖の短縮機構 上述の結果は、miRNAの作用機序としてpoly(A)鎖の短縮が重要かつ普遍的な役割を果たしていることが予測される。そこで、ハーバード大学の研究室と共同研究を行い、miR-430の標的遺伝子の網羅的な解析を行った。その結果、miR-430は100以上の母性mRNAのpoly(A)鎖の短縮と、分解に関わっていることが明らかとなった。これらの結果についてはScience誌に発表した。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)