Project/Area Number |
03J01831
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
楠城 一嘉 統計数理研究所, モデリング研究系, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 地震 / 予測 / ダメージ / 非線形ダイナミクス / レオロジー / シミュレーション / パターン / 断層 / 前震 / 余震 / マルチフラクタル / フラクタル / 地震予知 / 活断層 / シンメトロピー / 拡散 / 地震電磁気 |
Research Abstract |
地震活動の時空間分布の変化とそれに伴って起きる地殻の変形について、さまざまな解析手法・理論的考察に基づいて調査し、将来の地震活動の予測(予知)を目指す基礎研究を行った。そして、本研究課題の総括として、国内外の学術誌にて研究成果の公表を行った。以下にその概要を示す。 (I)パターンインフォマティクス(PI)法を用いた、日本の大地震予測に関する基礎的研究 過去の地震活動を解析して、将来の地震を予測するPI法の開発・改良を行った。その手法を用いて、将来の中部日本の地震活動をシミュレーションした結果、一昨年10月に発生した新潟地震と比較的大きい余震の震央域の一部の位置を予測することに成功した。研究の興味深い点は、PI法を用いた数値シミュレーションが、既知の破壊の物理等を用いないにもかかわらず、将来の地震の予測をする手法となりうることにある。(楠城一嘉他,2006 accepted ; Nanjo et al.,2006 in press,2006 in press ; Holliday et al.,2005;Chen et al.,2005) (II)ダメージ力学を用いた、大陸地殻の変形に関する理論的研究 岩石等の不均質物質中の微小破壊を扱う非線形力学(ダメージ力学)に基づくモデルを用いて、断層の上で繰り返し発生する地震のシミュレーションを行った。その結果、大陸地殻の変形で知られている応力と歪速度のべき乗則に類似の関係式を理論的に導くことに成功した。独創的な点は、比較的小さいスケールの断層面上で繰り返し発生する地震と、比較的大きいスケールの地殻の変形を結合したことにある。この成果は、地震断層上のすべりが大陸地殻の変形の主要因であるという従来の仮説を支持するものである。(Nanjo & Turcotte,2005;Nanjo et al.,2005) (III)地震破壊で生じる複雑なパターンの異方性を定量化する研究 複雑なパターンの異方性を定量化できる‘シンメトロピー'という情報エントロピー的な尺度を、新たに地球科学へ導入した。そのシンメトロピーのモデルを用いて、地震破壊の空間パターンをシミュレーションした結果、この尺度は地震破壊で生じる複雑なパターンの異方性を定量化するのに有用であることが分かった。(Nanjo et al.,2005,2006 in press)
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