Project/Area Number |
03J01951
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
蚕糸・昆虫利用学
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
松本 均 独立行政法人農業生物資源研究所, 発生分化研究グループ・成長制御研究チーム, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | アワヨトウ / セラチア菌 / 成長阻害ペプチド(GBP) / ドーパミン / 殺虫タンパク質 / メタロプロテアーゼ / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究では、昆虫の日和見感染菌であるセラチア菌が分泌するメタロプロテアーゼに起因する殺虫メカニズムについて研究を推進している。これまでの研究からメタロプロテアーゼが宿主昆虫アワヨトウの体液ドーパミン濃度の上昇をもたらし、このドーパミンが脳内へ流入し、神経細胞のアポトーシスを誘導していることが明らかとなっている。しかし、メタロプロテアーゼによるドーパミン合成・分泌の誘導機構は明らかではない。 ドーパミン合成・分泌を誘導できる分子として成長阻害ペプチド(GBP)がある。これまでにGBPの体液濃度の上昇はメタロプロテアーゼ注射により引き起こされていることを明らかにした。そこで、メタロプロテアーゼによる体液GBPの増加のメカニズムの解明を目的とした実験を行った。GBPは前駆体proGBPとして体液中に存在し、その活性化は内在性の活性化酵素により生じる。本研究でカイコのGBP活性化酵素の解析を行った結果、GBPの活性化にはいくつかのセリン型プロテアーゼが関与していることが明らかとなった。そこで、メタロプロテアーゼによるGBP活性化がこれらの活性化酵素群を介した反応によるものかを明確するために熱処理により体液の酵素群を失活させた後にメタロプロテアーゼを加える実験を行った。その結果、proGBPが経時的に減少することが観察でき、GBPの活性化がメタロプロテアーゼによるものであることが明らかとなった。 本年度の結果とこれまで得られている知見から殺虫タンパク質であるメタロプロテアーゼはGBPを活性化することにより体液ドーパミンの濃度上昇をもたらし、同時に細胞外マトリックスと細胞間接着分子を分解することにより脳内へのドーパミン流入を引き起こし、その結果、神経細胞のアポトーシスが生じ、昆虫に死をもたらしているものと考えられる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(1 results)