Project/Area Number |
03J02032
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
金 宗福 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | キャピラリー電気泳動(CE) / オンライン試料濃縮 / ダイナミックpHジャンクション / フェノール類 / アニリン類 / コンピュータシミュレーション |
Research Abstract |
キャピラリー電気泳動(CE)は絶対検出感度が高い超微量分離・分析法として幅広く使用されている。しかし、紫外吸光検出を用いる場合に、濃度検出感度が低いことが本質的な欠点である。これは主に検出における光路長(キャピラリーの直径)が短いこととに起因する。この問題を解決するためには、オンライン試料濃縮が有力な方法である。オンライン濃縮は通常の分析よりはるかに大きい体積の試料溶液を注入して、キャピラリー内で濃縮と分離を同時に行う方法である。市販装置をそのまま使えるので簡単に実行できるという利点がある。本研究では、CEにおけるオンライン試料濃縮による高感度分析法の開発を目的として、泳動液と試料溶液間のpHの違いにより試料の移動度が変わることを利用して濃縮を行う、ダイナミックpHジャンクション法に関する基礎研究を行った。 泳動液および試料溶液のpH、濃度と緩衝液組成が濃縮に及ぼす効果について検討した。pHのみならず電解質の種類や濃度も濃縮に大きく影響した。また、試料ゾーンの長さによって試料の移動時間が異なった。泳動液に160mMホウ酸塩緩衝液(pH10.0)を、試料溶媒に450mM酢酸(pH4.5)を用いて、フェノール類のpHジャンクションによるオンライン濃縮を行った結果、通常のCEに比べ60〜450倍高い濃縮が得られた。実験で得られた結果とコンピューター・シミュレーション結果を考察して、濃縮機構を合理的に説明することができ、ダイナミックpHジャンクション法の特性を明らかにすることができた。また、ダイナミックpHジャンクションの新しい利用法として陽イオン性試料(アニリン類)の濃縮について検討、50mMリン酸緩衝液(pH2.5)と試料溶液(100mMリン酸、pH6.0)を用い濃縮を行った結果、通常のCEに比べ70〜300倍の濃縮が得られた。
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