Project/Area Number |
03J02190
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
高分子構造物性(含繊維)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡村 浩和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | キトサン / アミノ酸 / トリプトファン / 生体適合性 / 機能材料 |
Research Abstract |
本研究では、キトサンにアミノ酸を化学修飾した、生体適合性に優れた水溶性キトサンの合成について検討した。具体的には、トリプトファンのN-アセチル化物を用いて、水溶性カルボジイミド(WSC)法によって検討した。トリプトファンは、最も疎水性の高い必須アミノ酸であり、たんぱく質や薬物との強い相互作用を起こすため、トリプトファン残基を有するキトサンは、新規な生体親和性機能性材料としての応用が期待できる。 キトサン100(脱アセチル化度80mol/mol%以上、和光純薬工業(株))を10%酢酸水溶液に溶解し、メタノールで希釈後、ピラノースユニットに対して3倍当量のWSCによって活性を高めたN-アセチル-DL-トリプトファンのメタノール溶液を加え、冷却下、均一状態で所定時間攪拌を行った。反応終了後、混合溶液を過剰のアセトン溶媒に注ぎ込み、得られる沈殿物を大量のアセトンで洗浄・ろ過操作を繰り返した。得られた固形物は、水溶性であるため、脱イオン水で透析して、凍結乾燥により白色粉末を得た。 白色粉末の構造解析は、^1H-NMRで行った。重水溶媒を用いた^1H-NMR(400MHz)測定の結果、キトサンに起因するピークに加えて、トリプトファン由来のピークが観測された。およそ7.2〜7.4ppm及び7.6〜7.8ppm付近に現れたブロードなピークが結合したトリプトファンのインドール環に起因すると考えられたが、僅かに残留した未反応のトリプトファンに由来するピークと重なり、およそ数%程度の導入量であることのみ推測された。疎水性の高い化合物が存在しているにも関わらず、水溶性であるのは、結合したトリプトファンがキトサン特有の高分子間水素結合形成を抑制した結果と考えられる。
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