Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
Claisen縮合は発明以来100年以上が経過しているが,交差型反応の制御が非常に困難であり,未だに1:1の求電子剤と求核剤間の基質一般性の高い交差型反応が確立されていない.この非常に困難で要請の高い反応をTiCl_4-amine反応剤で,主に酸クロリドなどの活性アシル化剤を求電子剤として検討を行った. その結果,1:1の酸クロリドまたはカルボン酸と,単純エステル間で高交差選択的に交差型Ti-Claisen縮合が進行することを見出した.この反応は,酸素官能基,特にケトンカルボニルを有する基質に対しても適応可能であった.これは,塩基法とは明瞭に異なるTi-Claisen縮合の特徴である.またα-アミノ酸誘導体も基質として適応可能で,高い基質一般性を示すことが出来た. この反応を応用し天然型香料であるcis-jasmoneおよび,(R)-musconeの最短段階合成を行い,実用性を示すことも出来た.尚,これにより得られる多様なβ-ケトエステルは,種々の不斉反応の基質としても非常に重要で,これらと併用することにより多様なキラルシントンを供給できるため,非常に有用かつ,汎用的な反応であり各種ファインケミカルズ・天然物全合成への応用が期待される. Ti-Claisen縮合の更なる展開として,これまで未踏領域である不斉Claisen縮合の検討を行い,α-位が4級炭素の光学活性α-ヒドロキシ-β-ケトエステルの,不斉補助基の回収が可能な効率的合成法を見出した.この反応により導かれるα-ヒドロキシ酸誘導体は,医農薬などの機能性分子や生理活性天然物の部分骨格に多く見られるため,今後,これらの,効率的合成への応用が期待できる.
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