Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究は,高速・高倍率濃縮分離システムを構築し,これによって環境中に存在する外因性内分泌撹乱物質(環境ホルモン)の微量計測を行うものである。 従来法の固相抽出法や溶媒抽出法などの濃縮法では,濃縮後の体積が5〜20ミリリットル(mL)レベルとなる。しかしながら,分析機器の注入量は,1〜100マイクロリットルレベルであるため,99%以上の濃縮試料が機器に注入されず,感度的なロスを生じていた。そこで本年度は,この問題を解決するために,水/水溶性有機溶媒/非水溶性有機溶媒の溶解度差に基づいた相分離現象の検討を行った。その結果,この相分離現象は,均一液液抽出として,水溶性有機溶媒に存在するPAHsを微小体積中への濃縮することができた。この現象(均一液液抽出)を固相抽出法後の溶出液の濃縮へ応用した。その結果,1.固相抽出法[L→mL],2.均一液液抽出法[mL→μL]と効率よく迅速に濃縮することができ,濃縮試料の全量を分析機器へ注入することができた。得られた濃縮倍率は5万倍程度であったが,ベンゾ[a]ピレンの定量範囲は7.6×10^<-4>〜0.76ppqであった。他のPAHsに関しても同等の検出感度であった。濃縮倍率だけを考慮すると,前年度に開発したトリプレックス法の方が,遥かに高倍率濃縮が可能であったが,本法は分析過程におけるすべての無駄を省き,蛍光検出器を備えているため,トリプレックス法よりも微量分析が可能であった。 また,様々な試料に適応出来ることを示すために,社会的ニーズの大きなアルキルフェノール類の分析やレスベラトロールの回収などを試みた。 均一液液抽出法を中核とする濃縮の融合は,環境分析のみならず,組み合わせる濃縮法,その組み合わせ方,各種機器分析等によって,多種多様な超微量化合物に対応できると考えられる。
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