ケーラー多様体上の非線形偏微分方程式の可解性と幾何学的不変式論の関係について
Project/Area Number |
03J03340
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
幾何学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐野 友二 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | バランスト計量 / 定スカラー曲率計量 / マルチプライア・イデアル層 / 幾何学的不変式論 / ケーラー・アインシュタイン計量 / 安定性 / 定スカラー曲率 |
Research Abstract |
本研究は,ベクトル束における小林・ヒッチン対応が多様体上でも成り立つかという予想をテーマとしている.本年度は,ネーデルによるケーラー・アインシュタイン計量の存在性がマルチプライア・イデアル層の非存在性を導くという結果を定スカラー曲率計量の場合への拡張をするという問題を考えた.この問題が解決されれば,マルチプライア・イデアル層がベクトル束の場合の小林・ヒッチン対応における(ベクトル束の)安定性を崩す層に相当することが言える.ケーラー・アインシュタイン計量の場合,マルチプライア・イデアル層はモンジェ・アンペール方程式に関するコンティニュイティ手法で解がブローアップしたときの特異性を表すものとして構成された.上の拡張問題を考える上で難しい点は,定スカラー曲率計量の場合,ケーラー・アインシュタイン計量の場合と違って,コンティニュイティ手法が知られていない.最近のドナルドソン・満渕氏の研究により,定スカラー曲率計量はバランスト計量の極限であることが示された.これは,バランスト計量を求めるアルゴリズムと収束条件をあわせれば,定スカラー曲率計量を求めるアルゴリズムになることを意味している.このアルゴリズムがコンティニュイティ手法の代用になるのではないかという予想に基づき,本年度はバランスト計量を求めるアルゴリズムを証明した.(この結果はドナルドソンの研究から大きな影響を受けている)さらに,これはチャウ安定性の必要十分条件を与えるものである.この結果は,プレプリントにまとめ,現在査読中である.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)