島嶼社会の「近代」経験に関する歴史社会学的研究:小笠原諸島を中心に
Project/Area Number |
03J03627
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Chiba University (2005) Osaka University (2003-2004) |
Principal Investigator |
石原 俊 千葉大学, 大学院・社会文化科学研究科, 助手
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 小笠原 / 沖縄 / 島嶼 / 法 / 生活世界 / 生活史 / 占領 / 帝国 / ペリー |
Research Abstract |
本研究は、「日本帝国」の形成過程で占領の対象となった島嶼社会の人びとが、いかなる「近代」経験をくぐり抜けてきたのかを、小笠原諸島を中心に、歴史社会学的に考察することを目的とする。 前年度までの研究で明らかにしたように、小笠原諸島の移住民たちは、「日本帝国」に帰化させられた後、臣民の一員として動員の対象となる一方で、「帰化人」という例外的範疇によって掌握され差別と治安管理の対象ともなってきた。 本年度は、「日本帝国」の敗戦前後の小笠原諸島において、「帰化人」と呼ばれた人びとがどのような経験をたどったのかを検討した。 1944年、「日本帝国」陸軍が小笠原諸島において「本土防衛」のための地上戦を想定したため、この島々の住民は軍命によって「内地」へ強制疎開させられるが、この住民には「内地」からの移住民の子孫だけでなく「帰化人」と呼ばれた人びとも含まれていた。かれらは「内地」において、「異人」「鬼畜米英」と名指され監視やリンチの標的となり得る状況に、置かれ続けたのであった。そして「日本帝国」の敗戦後、小笠原諸島を秘密基地として確保しようとする米軍は、「日本帝国」統治下における「帰化人」への差別やテロルを利用・逆用し、「帰化人」にのみ占領下への帰島を許した上で、ここに軍政をしいたのである。 本年度は、こうした状況下において、「帰化人」と呼ばれた人びとが、法的・政策的に翻弄されながらどのように生きぬいたのかを明らかにするため、 (1)強制疎開後の「内地」における生活状況について書かれた記録の収集と分析 (2)米軍政下の小笠原諸島における住民の生活状況を記述した文献や資料の入手と分析 を中心に作業を進めた。 またこうした作業と並行して、これまで進めてきた調査・研究の成果を本研究課題と類似の表題をもつ著書としてまとめ、まもなく東京の一出版社に入稿予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)