表面ナノ凹凸構造を用いた脂質二重層膜の固定化と膜タンパク質の分離・分析への応用
Project/Area Number |
03J03750
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
分離・精製・検出法
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 健二 大阪大学, 産業科学研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 脂質二分子膜 / 微細加工 / 膜タンパク / 膜蛋白 / 凹凸 / 分離 |
Research Abstract |
本研究では、脂質二重層膜内での膜タンパク質の電気泳動を実現するために、固体基板から部分的に離れた(凹部を"橋架け"した)脂質二分子膜を実現することを目的としている。前年度までに、シリコン基板上に作成された逆ピラミッド状の穴(一辺が5-10ミクロン程度)の上で、脂質二重層膜の"橋架け構造"が形成されることが明らかになっていた。しかし、"橋架け構造"の安定化に、基板上のどのような構造的特徴(凹部の形状、サイズなど)が重要な役割を果たしているのか良く分からなかった。 そこで本年度は、基板上の構造と"橋架け構造"の安定性との関係を明らかにするために、実験と理論の両面から研究を行った。その結果、穴の"ヘリedge"の曲率半径が、橋架け構造の安定化に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 具体的には、シリコン(111)面のアルカリエッチングを用いて作成した六角柱状の穴(一辺が5-10ミクロン)の上でも、ガラスのHFエッチングを用いて作成した半球状の穴(直径が5-10ミクロン)の上でも、"橋架け構造"が形成されることが明らかと成った。このことは、穴の形状や、サイズは、"橋架け構造"の安定化と無関係であることを示している。 これまでに"橋架け構造"が形成された穴は全て、鋭い"へり(edge)"を有していた。そこで、微細加工されたガラス基板を熱アニール処理し、穴のヘリを丸めて実験を行った。その結果、穴のヘリの曲率半径が百数十ナノメートル(臨界曲率半径Rc)を超えると、膜が穴の凹部に沿って基板に張り付くようになり、"橋架け"が起こらないことが明らかと成った。この臨界曲率半径は、Rc=(k/Wa)(k:脂質膜の曲げ剛直性、Wa:膜と基板との吸着力)で計算した値とよく一致することが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)