金属錯体触媒及び有機ホスト分子を用いた新規重合触媒系の設計と構築
Project/Area Number |
03J03761
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 義徳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 開環重合 / 環状エステル類モノマー / エステル加水分解 / シクロテキストリン / ポリエステル / 生分解性ポリマー / 酵素反応モデル / 分子認識 |
Research Abstract |
近年、環境低負荷型の新規重合触媒系の開発が期待されており、グリーンケミストリーとして水系での重合が非常に重要になると考えられる。本研究においては金属錯体や有機ホスト分子、さらにこの二つを組み合わせた系にて、水系での重合系の構築を試みる。これまでにCyclodextrinはその空洞内にて、ポリエステルの加水分解を促進することが明らかになっている。そこでこのエステル結合切断能力を利用して環状エステル類の重合を試みる。Cyclodextrin(CD)の分子認識能を利用した触媒挙動として、これまでにCDは低分子エステルと包接錯体を形成し、加水分解を触媒することが報告されている。当研究グループにおいてCDがポリエステルであるポリ-ε-カプロラクトン(Poly(ε-CL))やポリアルキルアジペートと包接錯体を形成することが明らかになった。この包接錯体はb-CD存在下ではポリエステルの加水分解がPoly(ε-CL)単体よりもすみやかに加水分解されることがGPCにより明らかになった。今回、我々はこのCDのエステル加水分解能を利用して、環状エステル類の加水分解による開環挙動を詳細に検討した。 我々はε-CL-β-CD包接錯体を加熱することにより、^1H-NMRから、Poly(ε-CL)由来のピークを確認し、GPC測定の結果、ポリスチレン換算分子量851のPoly(ε-CL)を確認した。また、質量分析の結果、最大分子量1950,17量体程度のPoly(ε-CL)が生成していることが確認された。一方、ε-CL単体を100℃のオイルバスで加熱を行ったがPoly(ε-CL)は、^1H-NMR, GPC, MSからは確認されなかった。上記の様にCDの空洞サイズにより加水分解挙動に大きな差が見られ、生体系の分子認識のモデルとして非常に興味深い研究と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)