味覚情報及び食物の嗜好性に基づく摂食行動における脳内ヒスタミン神経系の役割
Project/Area Number |
03J03797
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
神経化学・神経薬理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石塚 智子 (森本 智子) 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ヒスタミン神経系 / 味覚 / マイクロダイアリシス法 / 条件付け味覚嫌悪 / 摂食行動 / 摂食関連ペプチド / α-fluoromethylhistidine |
Research Abstract |
味覚刺激がヒスタミン神経系に与える影響を調べた一連の研究で,視床下部におけるヒスタミン遊離は嫌悪性の苦味溶液によって増加し,嗜好性の甘味溶液によって減少することを見出した.さらに,条件付け味覚嫌悪を用いて甘味溶液に対して嫌悪を獲得させたラットを用いて同様の実験を行ったところ,甘味を嫌うラットに甘味溶液を摂取させた際のヒスタミン遊離は上昇し,そのパターンはナイーブなラットに苦味を摂取させたときのものと類似していた.さらに,甘味溶液摂取による血糖値変動がヒスタミン神経系の活性化に影響を及ぼす可能性についても検討したが,グルコース投与あるいはインスリン投与による血糖値変動によってヒスタミン遊離は変化せず,ヒスタミン神経系は味覚の嗜好性によって活性を変化させているものと考えられた.以上より,嫌悪性の味覚によってヒスタミン神経系が活性化する一方,嗜好性の味覚によってヒスタミン神経系の活性が低下することが示され,研究成果をまとめた論文はBehavioral Brain Research誌に掲載された.また,この成果を第9回日本ヒスタミン研究会にて発表し,優秀な発表に対して授与される「和田賞」を受けた. さらに,摂食行動時に見られるヒスタミン神経系の活性化のメカニズムをさらに詳細に検討するため,摂食行動に影響を与える因子がヒスタミン神経系に及ぼす影響についてを個々に検討した.飼料の期待行動及び飼料の匂いによる嗅覚刺激・飼料を見ることによる視覚刺激などの感覚刺激の影響を検討したところ,期待行動・嗅覚・視覚によってはヒスタミン遊離は変化せず,実際に飼料を摂取した動物でのみヒスタミン遊離の上昇が観察されることを見いだし,第1回食と健康研究会にて成果を発表した.
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)