圧力誘起重い電子系超伝導体の極低温高圧下NMR/NQR法による磁性と超伝導の研究
Project/Area Number |
03J03938
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川崎 慎司 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 重い電子系 / 圧力誘起超伝導 / 核磁気共鳴 / 量子相転移 / 一次相転移 |
Research Abstract |
本研究では、加圧によっ,て重い電子系の磁性と超伝導の相関、そして超伝導発現機構の解明をめざしている。 また、重い電子系超伝導体CeIrIn_5の圧力下NQR測定によって、重い電子系化合物における新たな超伝導発現機構の存在を示唆する結果を得た。 具体的な成果は以下の通り。 1.重い電子系反強磁性圧力誘起超伝導体CeIn_3の圧力誘起反強磁性-常磁性転移が一次相転移であり、超伝導はその一次転移近傍で発現することを明らかにした。電気抵抗測定から強く示唆されていた量子臨界点の存在を否定する初めての結果を得た。この結果は、これまで量子臨界点近傍の強い磁気揺らぎによって誘起されていると考えられてきた重い電子系超伝導発現機構に、一次相転移という新たなキーワードを付与する重要な結果である。また、強磁性圧力誘起超伝導体UGe_2においても強磁性-常磁性転移が一次相転移であることを見出し、一次の磁気相転移が超伝導発現に果たす役割が、重い電子系において系統的に理解される可能性を示唆する。 2.常圧でT_c=0.4 Kの超伝導体であるCeIrIn_5は、IrをRhで置換すると、負の圧力効果から、反強磁性秩序が誘起され、かつ超伝導転移温度(T_c)が上昇することが報告されており[1]、Ce115系における超伝導が磁気揺らぎによって誘起されていることが強く示唆される。一方CeIrIn_5を加圧する(磁性から遠ざける)ことでも超伝導転移温度は上昇する[2-4]。この時常伝導状態は、T_cが増大するにも関わらず、核磁気緩和率の温度依存性からフェルミ液体状態であることを見出した。つまり高圧下のCeIrIn_5の超伝導は磁気揺らぎとは異なる起源で誘起されていることがわかった。このことは、Ce115系、ひいては重い電子系超伝導体において、磁気揺らぎと、もう一つ異なる超伝導発現機構が存在するというこれまでにない新たな重要な知見を得た。 [1] G.-q. Zheng, Phys.Rev.B 70,014511(2004). [2] T.Muramatsu et al.,Physica C 388-389,539(2003).[3] R.Borth et al.,Physica B 312-313,136(2002). [4] S.Kawasaki et al.,Phys.Rev.Lett. 94,037007(2005).
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)