Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
本研究では,(A)資源利用効率が高い動画配信方法の提案と性能評価,及び(B)大規模ネットワークシミュレーションの実現について検討を行い,ネットワーク通信の分野に対する技術発展に貢献することを目的としている.今年度は特に,(A)については,移動端末によるネットワークやオーバレイネットワークを対象とした動画像配信環境の実現,(B)については,移動端末を対象とした大規模ネットワークシミュレーションの検討と実装を行った. (A)については,まず,モバイルアドホックネットワークにおけるリアルタイム動画像配信の実現を目指し,オンデマンドルーティングプロトコルの提案と評価を行った.動画像配信では連続したデータを送る必要があるため,端末が移動する環境においても,いかに経路を維持できるかが重要となる.提案プロトコルでは,移動端末の距離や方向などの位置情報を利用し,経路を構成する端末数をなるべく少なくすることで,端末移動に伴う経路切断の悪影響を少なくしている.評価実験の結果,提案プロトコルは安定した経路維持率を実現することを示した.次に,前年度に提案した分散型マルチキャスト構築プロトコルを実装し,実環境における評価を行った.このプロトコルは,エンドユーザ間で構成される論理的なオーバレイネットワーク上で動作し,最大遅延がなるべく小さくなるようなマルチキャスト木を構築する.実証実験の結果,提案プロトコルを利用することにより,短い遅延で実用的な動画像配信を行えることを示した. (B)については,モバイルアドホックネットワークシミュレータの設計と実装を行った.このシミュレータでは移動端末の現実的行動を詳細に表現可能としながらも,前年度に提案した経路表削減手法を実装することにより,大規模なネットワークシミュレーション環境を実現している.このシミュレータの評価実験を行い,数千ノード程度の大規模なモバイルネットワークを対象としたシミュレーションを十分実用的な時間で実現できることを示した.
|