酸素の4電子還元および水の4電子酸化触媒系の開発と水の光完全分解への展開
Project/Area Number |
03J04315
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡本 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 電子移動反応 / 光合成 / 呼吸鎖 / 金属イオン / 酸素 / 共有結合 / 非共有結合 / 光エネルギー / 水 / 還元 |
Research Abstract |
我々の生命活動を支える非常に重要な過程として光合成と呼吸がある。近年、枯渇する化石エネルギーに替わるエネルギー源を早急かつ効率的に得ることが求められている。そこで、光合成系や呼吸鎖のように励起状態および基底状態の電子移動過程を緻密に制御することによりクリーンな物質変換を伴う高効率エネルギー変換系を構築することが焦眉な課題となっている。そこで本研究では、高効率エネルギー変換系を開発することを目指して、共有結合と非共有結合により高度に制御された電子移動系の構築を行ったものである。主な成果は次のように大きく3つに要約される。 1.天然の電荷分離系を凌駕する超長寿命電荷分離状態を実現するドナー・アクセプター連結2分子系の開発に成功している。さらに非共有結合を利用することにより、電荷分離寿命を顕著に長寿命化できることを初めて見出している。 2.生体内で重要な役割を果たしている水素結合、金属イオン、アンモニウムイオン、さらにダイマーラジカルアニオン錯体形成による電子移動反応の活性化や制御の効果を初めて定量的に明らかにしている。 3.我々の生命活動において、非常に重要な過程である酸素の4電子還元反応の制御とその反応機構の解明に成功している。 以上のように、本研究はクリーンな物質変換を伴うエネルギー変換系を効率良く構築している自然界の光合成と呼吸鎖に注目し、共有結合と非共有結合を利用した光電荷分離状態の長寿命化とその応用、電子移動反応における非共有結合による活性化と制御、さらに多電子移動過程の金属錯体による精密制御に成功している。本研究の成果はエネルギー・環境問題の解決に向けた重要なステップとなる。
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Report
(2 results)
Research Products
(21 results)