文の読みにおける単語の情報処理過程の解明および読みのスキルとの関係の検討
Project/Area Number |
03J04481
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 愛子 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 漢字 / 構音抑制 / 音韻情報処理 / 文判断課題 / 同音語効果 / 類義語判断 / 意味判断 |
Research Abstract |
通常、我々は発音を意識せずに日本語の文章を読むことができる。特に漢字単語を読む場合、音韻情報処理は介在しないという主張がなされてきた。しかし一方で、近年は漢字の意味処理において、音韻情報処理は非常に速く行われているという研究報告も多い。そこで本研究では、漢字単語の意味処理において速く行われるとされている音韻情報処理の性質をより明らかにすることを試みた。 単語の音韻情報処理について調べる方法の1つは、同音語効果が見られるかどうかを調べることである。同音語効果とは、語彙判断や意味判断を行う際に同音異義語が呈示されると、エラーが多くなったり反応時間が遅くなったりすることである。日本語の漢字単語を用いた研究で同音語効果が見られることから、意味処理における音韻情報処理の存在が示唆されている。 もう1つの方法は、構音抑制をかけるというものである。構音抑制とは、主要な課題とは無関係の音をつぶやく二重課題を課すことである。構音抑制によって妨害される音韻情報処理と妨害されない音韻情報処理があるため、構音抑制をかけることにより、そのいずれが行われているのかを調べることができる。通常、語彙アクセスにおいて行われている音韻情報処理は、構音抑制によって妨害されないタイプのものである。しかし、構音抑制によって漢字単語の同音語判断が妨害されることから、漢字単語の意味処理において生じる音韻情報処理は、構音抑制によって妨害されるタイプのものである可能性もある。本研究では、漢字二字熟語を含む文の有意味性を判断する文判断課題を用い、構音抑制が同音語効果に影響を及ぼすか否かを検討した。実験の結果、両方の課題において同音語効果が見られ、かつ、そのいずれの効果も構音抑制によって消失しなかった。したがって、同音語効果をもたらした漢字単語の音韻情報処理は、構音抑制によって影響を受けない処理であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)