イスラーム思想における聖典クルアーン(コーラン)の意味-「書かれたもの」として-
Project/Area Number |
03J04530
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
宗教学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒宮 玲子 (大川 玲子) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | イスラーム / イスラム / クルアーン / コーラン / 聖典 / 教典 / 書物 |
Research Abstract |
本研究は、イスラーム思想を「書かれたもの」(=書物)という概念で分析し、聖典クルアーン(コーラン)の思想的意味を検討することを目指してきた。クルアーンが天にその原型を持ち、かつ、旧約・新約聖書を先行聖典としていることに注目し、クルアーンを基点に天の原型との垂直関係と、先行聖典との時系列的水平関係という枠組みを設定、このなかでクルアーンという書物の位置づけを行い、イスラーム教徒にとっていかなる聖典として認識されているのかを、思想的に解明しようと試みた。 本年は、最後の下位テーマであるクルアーンと先行聖典との時系列的水平関係を探ることに焦点をあて、文献の精読を続けてきた。イスラームにとって旧約・新約聖書は先行聖典であると同時に、「歪曲」されて正しい姿を失っており、それを最終的に補完する最も優れた聖典がクルアーンであると考えられていることが諸文献より明らかとなった。現在この研究成果を発表することを念頭に、さらなる精読に取り組んでいるところである。 またマイケル・クック著『コーラン』(岩波書店)を翻訳、刊行した。これはプリンストン大学教授が著したクルアーン(コーラン)の入門的概説書であるが、同時に最新の研究成果を踏まえたものとなっている。日本語のクルアーン概説書には文献学的分析のみに終始したものが少なくないが、この著作はイスラーム教徒の日常生活におけるクルアーンの役割に言及するなど、多角的にクルアーンをとらえる好著である。この著作は、クルアーンと他の諸聖典との比較という本研究と共通する視点を持っており、その意味でもこの翻訳作業は本研究を進めている過程での一つの成果だと言えよう。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)
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[Book] コーラン2004
Author(s)
マイケル・クック(大川玲子訳)
Total Pages
222
Publisher
岩波書店
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