イスラーム復興のネットワーキング:トルコを事例とする実証的研究
Project/Area Number |
03J04531
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤江 史子 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 学振特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | イスラーム復興 / 市民社会 / ネットワーク / ワクフ / トルコ政治 |
Research Abstract |
本研究は、イスラーム復興運動が、個人やグループを介するネットワークを形成し、政治領域以上に経済活動や市民社会において連動的、相乗的に活発化し、日常生活に根を下ろした市民社会を成熟させる方向に発展しているとの仮説を実証的に明らかにすることを目指す。本年度は、各25日間ほどの現地調査を8月末から9月半ばと、12月末から1月半ばにかけて行った。現地調査では、アンカラとイスタンブルで活動する21のイスラーム復興系の市民社会組織(教育支援や社会福祉、人権・女性権利擁護を行う財団や協会、国際援助財団等のNGOなど)を訪問し、組織の代表者や中心的活動家に対するインタビュー調査や一次資料収集を行った。インタビュー調査では、インタビュー対象者のライフストーリーを聴取しながら、それがいかに市民社会組織の活動と交叉しているのか、また、各組織の設立経緯や活動の変遷を、組織関係者レベル、トルコの政治社会レベル、国際政治のレベルにおける出来事や状況の変化と関連づけたデータを引き出すよう努めた。21組織はそれぞれ、資本や人員の規模、設立年、活動領域が異なるが、それ故に逆に、それらを設立年別、分野別、組織運営形態別などの複数の視点から分析することで、一種のパイロット調査的な見取り図をとることができた。その結果、多くの組織が、伝統的な社会的結合のあり方を基礎として活動を始め、発展してきていること、女性組織は特にインフォーマルな結合と活動形態を出発点としながら、社会経験や経済力、人脈による支援を得てフォーマルな組織活動へと発展していることなどが分かった。つまり、イスラーム復興はイスラームの教義と伝統に内在する市民的社会関与への動機付けと方法を提供することで市民社会への敷居を低め、活動を容易・促進する側面があるとの結論が得られた。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)