Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
申請者は、昨年度までに植物において、長距離シグナルを介して制御されるプロモータートラップ系統を変異原処理して得られた、レポーター遺伝子の発現パターンに異常が見られる二つの同定した変異体097と155系統について解析を行ってきた。これらの系統について、マッピングを行い、原因遺伝子を同定しようとした。このうち155系統については、マッピングの結果一番染色体中腕部に位置することがわかり、120kbpほどの長さまで存在範囲を絞ることができた。この範囲に存在する遺伝子のコード領域について遺伝子配列を決定したところそのうちの1つの遺伝子であるAtlg50010遺伝子においてアラニンからスレオニンへの置換が確認された。チューブリンが原因遺伝子であることをさらに確認するために、チューブリンに結合する重合阻害剤であるプロピザミドを植物に与えたところ、155系統と同様の暗所で短くなる形態及び、EOD-FRへの応答が異常となる表現型が見られた。また155系統において、十一種類の既知オーキシン応答性遺伝子の発現が昂進しているかどうか調べたところ、そのうち5種類の遺伝子について、昂進が認められた。またプロピザミドを処理した集団においては、野生型株でもいくつかの遺伝子についてオーキシン応答性遺伝子の発現が昂進することが分かった。オーキシンと同様に胚軸伸長に影響を持つと考えられるブラシノステロイドについても、この変異体の応答性を確認したが、野生型に比べてやや低い濃度での応答が異常となり、鈍くなっていることが分かった。また、上記以外に長期出張においてsalk institute, Joanne Chory博士の研究室で実験を行い、ブラシノステロイドの受容体BRI1のブラシノステロイド受容部位に関する研究を行った。
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Journal of Experimental Botany 56
Pages: 833-840