弾性、粘弾性、流動などの複合的効果と結合した相転移ダイナミクス
Project/Area Number |
03J04994
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性一般(含基礎論)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 亮 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 高分子溶液 / 粘弾性 / マイクロレオロジー / スピノダル分解 / 動的臨界現象 / ずり流れ / レオカオス / 塑性変形 / レオロジー / 相転移ダイナミクス / シェア流 / 相分離 / 臨界現象 |
Research Abstract |
「弾性、流動、粘弾性などの複合的効果と結合した相転移ダイナミクス」という表記研究課題のもとに主に粘弾性流体の示す、新奇な非平衡物性、相転移ダイナミクスについて研究を行った。 1.流動下の粘弾性相分離現象流動について詳細な計算機実験的研究を行った。その主要な結果は以下のとおりである。(i)溶媒リッチ相は流動に対してより強い変形を受け、速度勾配が集中し、系の潤滑剤として作用する。その結果、系の粘性は減少する(相分離によるshear-thinning)。(ii)系の応力の大部分は高分子リッチ相が保持するが、高分子リッチ相は流動場による変形、破断、会合を繰り返し過渡的ゲルとして作用する。この複雑な運動は応力の大きな揺らぎをもたらす。(iii)シェアレートが弱い場合、流動によってドメインの粗大化は促進される。しかし、シェアレートが強い場合には、シェア流によるドメインの破断の効果が強くなるため、粗大化の進展が抑制される。この場合、動的な定常状態を実現する。我々が得た結果は近年の実験結果と定性的に一致する 2.昨年度の研究で代表者は粘弾性長の逆数程度の波数で粘性が波数依存性を持つという粘弾性効果を初めて報告した。今年度は、この結果を受けて絡み合い高分子溶液のマイクロレオロジーの詳細な解析を展開した。その結果、絡み合い高分子系特有の内部構造、粘弾性効果を反映して、マイクロレオロジーによって観測される複素ずり弾性率は、マクロな測定で得られるものとは量的のみならず質的にも異なるものになりうることを予測した。 上記の研究以外にも高分子溶液の動的臨界現象、ミセル溶液のシアバンド現象、固体の塑性変形に関して研究を行った。これらの研究で得た成果は各種国際会議、国内学会、海外学術雑誌において公表した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)