Project/Area Number |
03J05002
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永吉 勉 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ガス検出器 / 微細電極構造 / イメージング / Time Projection Chamber / MeVガンマ線 / コンプトン / 電界放出 / 放電 / コンプトン法 / 中性子イメージング / ヘリウム3 |
Research Abstract |
前年度までに、Micro TPCを用いたMeV領域ガンマ線イメージング法の基礎を確立し、離れた二つの線源のイメージの再構成にも成功した。今年度は、ガンマ線イメージング性能の定量的研究に加えて、気球実験や医療への応用へ向けた研究を中心に行った。具体的には、Micro TPCの中心部となるMicro Pixel Chamber(μ-PIC)をこれまでの10cm角から30cm角へ拡張し、その基礎特性を測定した。また、三次元電磁場解析プログラムMaxwellによる電場計算に基づいて30cm角へ拡張するMicro TPCのための最適なドリフトケージを開発した。 これまでのMicro TPCの基礎実験では、実験室の卓上に置けるフロー型のガスシステムを採用していたが、気球実験などに使用する場合にはガスを封じ切りにする必要がある。この場合、ガスの劣化などによる検出器の特性の変化を正しく評価しなければならない。このための基礎実験として、ガス密封容器を作成し、封じ切りの環境のもとでのμ-PICのガス増幅率の時間変化などを測定し、その結果に基づいて容器内部にゲッターを置くなどの対策にフィードバックした。 また、μ-PICのような微細電極構造を持つ検出器の共通の問題点である電極間の放電の研究を行った。これまでは、絶縁基板上への電荷の蓄積が放電の主要な原因と考えられていたが、実験によってこの現象の放電への寄与は少ないことがわかった。さらに、三次元電場計算プログラムMaxwellとガス検出器シミュレーションプログラムGarfieldを組み合わせた計算によって、陰極端での強電場から生じる電界放出電子とそれが受けるガス増幅が放電の原因となることを突き止めた。 本年度の研究により、10cm角Micro TPCはほぼ完成の域に達し、その成果は日本物理学会やその他の研究会で発表している。
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