Project/Area Number |
03J05015
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
気象・海洋物理・陸水学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日尾 泰子 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 南半球 / 成層圏 / 年々変動 / 成層圏突然昇温 / プラネタリー波 / 非線形相互作用 / 惑星波 |
Research Abstract |
南半球成層圏は北半球に比べ極域で温度が低く、局渦が強い。また、成層圏の特徴であるプラネタリー波の振幅は小さい。また、北半球では2年に1回の割合で観測される成層圏突然昇温は南半球では2002年以外観測されていない。この両半球の違いは南半球では地形性強制や海陸分布による熱コントラストが小さいために、成層圏に伝播するプラネタリー波の振幅が小さいことが原因である。このような特徴は南半球では非線形性が弱いことを意味している。 では、2002年になぜ成層圏突然昇温が起こったのか。1979年から2002年の再解析データを用いて南半球成層圏循環の季節進行を調べ、2002年の共通性と特異性を明らかにした。季節進行の年々変動は冬の季節進行の変動で特徴付けられ、対流圏から伝播するプラネタリー波の波活動度とよく対応していた。2002年は他の年と比べ非常に季節進行が早いという点では特異であったが、それと対応して真冬に類を見ない非常に大きな波活動の伝播があり、波活動と季節進行の関係は他の年と共通であった。 非線形性が弱い南半球成層圏では極渦が準周期的に振動する事例がしばしば観測される。この現象を南半球成層圏で卓越する定常波数1成分と東進波数2成分の波と波の相互作用という観点から再解析データおよび球面順圧モデルを用いて調べた。東進波数2の振幅が大きな年には定常波数1と東進波数2の波-波相互作用によって3波共鳴を満たす波、すなわち南北に節構造をもち波数2と同じ角振動数の東進波数1成分が存在した。定常波数1と東進波数1との干渉により東西平均東西風もその強さが周期的に変化した。 上記の順圧モデルにおいて定常波数1をつくる地形の高さを変化と流れの解の関係は、山が非常に大きなときには非周期解、山の高さを低くすると上述の波-波相互作用による周期解、さらに山を低くするとHopf分岐が起こり、準周期解となることがわかった。
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