Project/Area Number |
03J05095
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
大域解析学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑田 和正 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ラプラス近似 / 大偏差原理 / 拡散過程 / 確率線積分 / ランダムカレント / 長時間漸近挙動 / 多様体 |
Research Abstract |
コンパクトリーマン多様体上の拡散過程は、各一次微分形式に対して、拡散過程の経路に沿った確率線積分を対応させるランダムな汎函数とみなせる。このようにして定まる確率過程の長時間漸近挙動について、大偏差原理の精密化に相当するラプラス近似の問題を扱った。 この枠組みにおいて、大偏差原理の成立が速度関数の具体的表示も含めて知られている。それらを利用して解析的摂動論の援用により要となる条件を定式化し、ラプラス変換の非線型化に相当する期待値の漸近挙動に対してその極限の存在及び具体的な表示を得た。 調和微分形式の確率線積分は、調和積分論を通じて被覆多様体上にリフトされた拡散過程の漸近挙動と深いつながりを持つ。特にラプラス近似の対象が調和微分形式の確率線積分の汎函数の期待値の場合に、今回の結果の極に現れる量に対して幾何学的な意味づけを与えることで、リフトされた拡散過程の長時間漸近挙動に幾何的構造が与える影響について新たな知見が得られるものと期待できる。 これらの結果は現在論文を投稿中である。また、名古屋、大阪、Evesham(イギリス)、三田(兵庫県)の各地で開催された研究集会で研究成果を報告した。 一方、東京大学の楠岡成雄氏、慶應大学の田村要造氏との共同研究で、前述の枠組みでの大偏差原理が、対象とする微分形式の微分可能性の条件を強い可積分性の条件で置き換えられることを示した。結果、微分可能性の条件を多様体の空間の次元と独立にでき、より広いクラスの確率線積分を対象に含めることができる。また、拡散過程の情報をより明確に捉えられる形の汎函数を対象とすることで、より理解の容易な速度関数が現れることを明らかにした。この結果については、現在論文を執筆中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)